その後、モンモランシー公園傍にあるケベックの壁画アート(Trompe-l’oeil Fresque des Québécois)を鑑賞しました。ロワイヤル広場からほんの少し脇に入った所にある大きな壁画で、ケベックシティの歴史や生活を描いた近代アートの傑作です。サムエル・ド・シャンプランをはじめとするケベックゆかりの人物が登場し、過去から現在の生活風景が描かれています。 1999年に文化通信省主催でケベック観光名所として作られたもので、20年経った今でも色鮮やかに残る立体感ある壁画は観光客を魅了する観光スポットとなっているそうです。平面だけど立体的に描かれていて、ずーーーーっと眺めていたいようなそんな素敵な壁画でした。
その後プチシャンプラン通り(Quartier Petit Champlain)へ。石畳のプチ・シャンプラン通りの両脇には、17世紀の美しい石造りの建物が並んでいます。 プチ・シャンプラン通りは北米最古のショッピングストリートで、大勢の人で賑わっています。
工芸品、お土産、ファッション、アクセサリー、日用品など45店舗、アートギャラリー、劇場、レストランやカフェなどがあり、どのお店もとてもお洒落。イベントやフェスティバルも開催される活気溢れる一角で、観光客だけでなく地元の人にも人気なのだそうです。この通りで、ウキウキしながらつかの間の時間を散策しながら過ごしました。
その後、ケーブルカーのフニキューレ(Le Funiculaire du Vieu-Quebec)に乗ってアッパータウンのテラスデュフランに向かいます。1879年11月に開通した傾斜45度のケーブルカーは、高低差約60mのロウワータウンとアッパータウンのテラス・デュフランを結んでいます。
ガイドさんたちは首折れ階段を上って先に待っててくださっています。首折れ階段は後日歩いて上ることにして、今回私ははフニキューレに乗ってテラスデュフランに向かいました。チケット(3.50ドル)を購入して順番に乗車し、ほんの3分ほどで到着しました。首折れ階段は、ロウワータウンとアッパータウンを往復するため、1635年に作られたケベックシティで最も古い階段です。プチ・シャンプラン通りの北端部にあり、59段ある階段上方からプチ・シャンプラン通りを見下ろすと、まるで絵葉書のような風景を楽しめる人気の写真スポットとなっています。
テラスデュフランに面して建つケベックシティのシンボル的な建物シャトーフロンテナック(Fairmont Le Château Frontenac)は、この街を代表する歴史的高級ホテルです。 1892年にカナダパシフィック鉄道が、アメリカ人建築家ブルース プライス(Bruce Price)のデザインをもとに建設。
フランスの城をイメージして作られたこのホテルは、裕福な旅行者を対象に鉄道旅行とのパッケージツアーとして販売促進されていました。 現在はフェアモントホテルチェーンが所有しています。英国エリザベス女王やモナコのグレース王妃、ウィンストンチャーチル、アルフレッド
ヒッチコック、レオナルド ディカプリオ、アンジェリーナジョリーなどケベックシティを訪れたのほとんどの著名人がこのホテルに滞在しているとのこと。もちろんカナダケベック州が故郷のセリーヌ・ディオンも宿泊しました。一度は宿泊してみたいのですが、私のような小市民には宿泊費が少々お高いので。。。。眺めるだけでした。今回は外壁の修復が行われていたので、一部はスモッグに覆われていて残念でした。
ここで長い坂を上り、戦場公園に続くテラスPierre Dugua De mons Terraceへ到着、そこからシャトーフロンテナックやセントローレンス川を眺めました。港には外国の豪華客船が停泊しています。乗客の皆さんのみならず乗組員さんもケベックシテイでつかの間の休養ですね。『ケベック』の地名の意味は、カナデイアンの言葉で狭い水路、川幅の狭くなった所と言う意味だそうで、チェベックが訛ってケベックとなったとのこと。ここはセントローレンス川の流域の中でも最も川幅が狭く100メートルしかないそうです。って日本の感覚で言えばそれでも広いと思うのですが(笑)このセントローレンス川のおかげでケベックでは交易が栄えたのですね。
モンモランシーの滝
モンモランシー滝は落差84メートル、幅46メートル、滝壺の深さ17メートルの滝で、落差については同じくカナダ国内にあるナイアガラの滝よりも約30メートル高いそうです。滝はモンモランシー川がセントローレンス川に流れ込む合流点(河口部)付近にあり、オルレアン島に面しています。滝の名称は、のちに1620年から1625年にかけてヌーベルフランスの総督を務めることとなるモンモランシー公アンリ2世を讃え、1613年にサミュエル・ド・シャンプランによって名付けられました。周辺一帯は「モンモランシーの滝公園」(
Parc de la Chute-Montmorency)となっていて、観光向けの設備・施設が整備されています。滝の周辺には簡易の展望台や階段があるほか、最上部に吊り橋が架けられており、様々な角度から滝を一望できるようになっており、また滝壺と最上部とを結ぶケーブルカーも運行されています。今回は吊り橋を渡って迫力の滝を体験しました。吊り橋の隙間から下が見えていて高所恐怖症の私は足がゾクゾク、さらに「ゴーーーーッ」と轟音を立てて流れる滝の様子に心臓がバクバクしました。こじんまりとした滝ではありますが、あの雄大なナイアガラの滝よりも落差が大きいと聞いて本当にびっくりでした。大自然万歳!!!
ケベック州議事堂
ケベック州議事堂(Hotel du Parlement) はフランス系カナダ人の建築家·エティエンヌタシェ(Eugène-Étienne Taché
)によって、1886年に建てられたフレンチ・クラシック様式の建物です。この州議事堂は、上から見ると100メートルの正方形になっているそう。英仏戦争の影響で、フランスにもイギリスにも占領された時代があり多くの影響を受けたケベック、現在はカナダにありながら、フランス文化を信仰し、カナダから独立したいという意思を持っているケベックは政治的にも少し複雑な状況ですが、この州立議事堂がその舵取りをになっているのでしょうか。
エティエンヌタシェが、このケベック州議事堂を作ったとき「私たちは百合(フランス)の花の下で生まれ、バラ(イギリス)の花の下で育った。それを私は忘れない」と記された碑を残したそうです。ジュ・ム・スヴィアン(Je
me souviens)はフランス語で「私は忘れない」という意味。でもこれは決して恨みつらみではなく、民族団結の言葉なのだそう。この言葉は正式なケベック州のモットーとして、走っている車のナンバー全てにも刻まれていました。
ケベック州議事堂前にあるツアーニーの噴水(Fontaine de Tourny)は、2008年に1608年にシャンプレインが開拓してから400周年の記念に建てられたもの。2008年はケベック州の街のいたるところで様々なものを建造したりイベントが開催されました。セリーヌ・ディオンの戦場公園でのコンサートもその一つです。ちなみにここは韓国の人気ドラマ「トッケビ」のロケ地として使われたそうで、ロケ地巡礼にこられるかたも多いそうです。ケベックで韓国の方をチラホラ見かけるのはそのせいなんですね!