Michael Jackson Dangerous World Tour
Michael Jackson
Japan Tour 1993 Schedule
  • 1993年 9月10日(金) 福岡ドーム
  • 1993年 9月11日(土) 福岡ドーム


←ちょっとこのマイケルの顔怖すぎ。ダイエーさんもう少しいい写真が無かったの!

★福岡での熱狂の様子(新聞記事より)
  
コチラへ

1992年12月のDangerous Tourで一度東京ドーム来日公演をした後、今回はアジアツアーの一環で福岡のみの来日。9月7日に専用機で福岡入り。マイケルは児童虐待疑惑の渦中におり、世界中のマスコミが福岡に押しかけていて、今回の福岡公演は全世界から注目されていました。歌手生命を脅かすほどの騒動だったのです。彼も精神的にかなりまいっていたようです。マイケルの宿泊は円筒型の珍しいデザインのホテル、福岡市博多区のハイアット・リージェンシー福岡。テーマパークが大好きなライブの合間を利用して長崎のハウステンボスやバイオパークにも行ったようです。後に妹のジャネット・ジャクソンの2回目のツアー来日公演で九州での公演地にハウステンボスを選んだのはマイケルの助言があったとかないとか言われています。結局無事に9月10・11日でコンサートを終了した後、翌12日にモスクワへと向かったのでした。

★テレビでの特集番組
渦中の人マイケルの特集が民放ワイドショーで組まれ沢山放送されました。

★Song List(全13曲、2時間)
<疑惑の渦中につき、このときは通常の本ツアーよりも若干曲目が少なめでした>
 

 1.JAM
  2.WANNA BE STARTIN' SOMETHING
  3.HUMAN NATURE
  4.SMOOTH CRIMINAL
  5.I JUST CAN'T STOP LOVING YOU
  6.SHE'S OUT OF MY LIFE
  7.MOTOWN MEDLEY〜Love You Save/I Want You Back/I'll Be There〜
  8.THRILLER
  9.BILLIE JEAN
10.WILL YOU BE THERE
11.DANGEROUS
12.BLACK OR WHITE
13.HEAL THE WORLD

★ライブ・ライブ・ライブ(1993.9.11Sat.)
突然ライトが落ち、ステージ脇の両サイドの大モニターに重厚で印象的なクラッシック音楽をバックに今までのツアーでのマイケルや悲鳴を上げる熱狂的のファンの様子の映像が約5分ほど流れる。映像が終わりステージ正面中央下からバンという爆音とともに(-●-●-)をかけ、軍服に金色のたすきがけの飾りをちりばめたりりしい個性的な雰囲気のマイケルが飛び出してきた!これにはもうファンはびっくり。キャーキャーというすごい悲鳴。時折顔の向きは変えてもしばらく静止して動かないマイケル。しびれを切らしたファンは「マイケル〜マイケル〜」と叫んでいる。

約5分ほどの静止の後、ガシャンというガラスの割れるような効果音が入り、最初の曲
JAMの前奏がスタートする。マイケルが動きだした!数名の男性バックダンサーを従えてキレのある歌とダンスでもう会場は大興奮でディスコ状態!「JAM!」というフレーズをマイケルが歌うたびにステージ両脇から花火が炸裂する。圧倒され、曲が終わって「すごい〜すごいよ〜」と口にする観客。マイケルが「How Are You Doing?」「ヒィ〜ヒィ!」「アオゥ!」と観客に呼びかける。そのままマイケルに同じ言葉を叫び返す観客。もうノリノリで手のつけられないドーム。

そしてさらにダンサブルなナンバー
WANNA BE STARTIN' SOMETHINGがスタートする。衣装は上着を脱ぎ、その下の黒いズボンに金色(黄色?)のボディスーツを重ねたようなものに変身。原曲よりもスピートアップした感じにアレンジされていて更に踊れる曲になってる。動と静の素晴らしいコンビネーション。マイケルのダンスはもうこの世の人のものとは思えないくらいスゴイ。大興奮に包まれるドーム。その後は一転してスローな曲HUMAN NATUREこの曲は私の大好きな曲。いろんな人にもカバーされてるくらいの名曲で優しく語りかけるように歌うマイケル。

その後暗いステージに3つの大きな布きれのスクリーンが登場。マイケルの踊る黒いシルエットが真中に、サイドにダンサーのシルエットが浮かび上がる。静寂の中で3分ほど踊った後、ダンサブルなナンバーである
SMOOTH CRIMINALが始まる。ストーリー仕立てでまるでプロモを再現したようなステージングで白いタキシードに身を包んでダンサーを従えて踊るマイケル。有名な直角斜め45度に傾むくシーンも私たちの目の前で再現してくれた!スゴイ。人間業じゃない!凄すぎる。

その後メローな音楽が流れながら、しばらく衣装チェンジで間があいた後、スローな
I JUST CAN'T STOP LOVING YOUが始まる。サイーダ・ギャレット(兼バックコーラス)と甘いデュエットを見せるマイケル。(余談ですがBADツアーでは今や大スターのシェリル・クロウが下積み時代にこの女性の役目をしてたんです)「I JUST CAN'T STOP LOVING YOU〜♪」と観客も一緒になって歌っている。続いてまたスローな曲SHE'S OUT OF MY LIFEこの歌は失恋の曲。歌の途中で観客の女性をステージに上げ、抱きしめるマイケル。キャーという観客の悲鳴。離れたくない女性を引き離すようにして恰幅のいいスタッフの外人さんが抱えてステージ脇へ連れて行く。それを悲しそうに見送るマイケル。そして泣きながらうずくまる。観客は「マイケル〜マイケル〜(頑張って)」と叫ぶ。その後悲しみを抑えて最後まで曲を歌い終えた。観客へ「アイシテマス!」と語りかけるマイケル。

続く彼の子供時代でジャクソン5のヒット曲メドレ〜
MOTOWN MEDLEY〜I Want You Back/Love You Save/I'll Be There〜と続く。ステージ上に居るマイケルがまるで童心に戻ったように懐かしそうに歌っている。”I'll Be There”はマライア・キャリー初め数々のテーティストにカバーされている名曲。聞いてて(〜^T)ジーンときてしまいました。手を上に大きく左右に振りながら「Everybody!」と歌うように呼びかけるマイケル。観客も手を振りながら「「I'll Be There〜♪」と大合唱。ジャクソン5のメンバーであり兄弟である名前(マーロン・ティド・ジャーメイン・ランディ)を一人一人出して、最後に「I Love You All!」と言うマイケル。素晴らしい兄弟愛。

雰囲気ががらりとかわって、暗い中でカラフルなレーザービームの飛び交う中で白いジャンパーを着たマイケルの登場とともに名曲
THRILLERが始まる。イメージは墓場。棺おけから蘇えってきたモンスターを従えてステージでオバケダンスを披露するマイケル。そのうちマイケルまでゾンビに変身し、最後は棺おけに入り、そこから消えるというマジックが披露された\(゚o゚;)/ウヒャー(かつての歌を聞かせるだけのプロモーションビデオをストーリー仕立てのまるで映画のようなショートフィルムへと変革を起こしたのがこの曲、記念してMTVでは”マイケルジャクソンビデオヴァンガード賞”を創設したほど歴史的なこと)

続いて
BILLIE JEAN。暗い中でマイケルにのみスポットライトが浴びせられる。シンプルな白シャツ、黒いズボンに軽く上着をはおり、帽子を前に深くかぶったマイケルが登場だ。ここはマイケルの一人舞台だ。この曲で有名なのはムーン・ウォークと呼ばれるダンス。足を自由自在に操ってもうこの世の人とは思えないくらい素晴らしいダンスと体の動き。どんなスターが出来てても彼には及ばない、及ぶはずが無いと思う。その後、ステージ脇の両モニターに映像が流れる。彼のダンスを惜しみなく見せた特殊効果たっぷりの映像。街の一角で素晴らしいダンスを踊り、最後はマイケルが黒豹に変身して去っていくというもの。

映像が終わった後、ほんわかした曲
WILL YOU BE THEREが始まる。この曲は映画”FreeWilly”の主題歌になったもの。歌い終わってから「アイシテマス!」「I Love You!」と語りかけるマイケル。その後しばらく間が空く。その後007のジェームスボンドのテーマが流れ、黒いタキシードを着たマイケルが登場しミディアムアップテンポな曲DANGEROUSが始まる。手拍子をする観客。「かっこいい〜」と思わず漏らす観客たち。

その後すこし間が空いて、マコーレー・カルキンくんのプロモへの出演でも有名になったダンサブルな大ヒット曲
BLACK OR WHITEが始まる。最初にプロモでステージ両脇のモニターにマコーレーくんの映像も登場。大音量でノリノリに部屋で踊りまくってたマコーレーくんがパパに「静かにしろ!」ってきつく怒られて、シュンとなりつつも、反撃とばかりにギターのアンプの音量を”ARE YOU NUTS?(アンタマジ?)”レベルに上げて、「Eat This!(これでも食らえ!)」ってギターをギュイ〜ンと鳴らすと、パパがその衝動で家を突き抜けて宇宙へ飛んでいくビデオの印象的なシーンの後、マイケルが実際にステージに登場して歌いだした。観客はもうノリノリである。

大盛り上がりで曲が終了した後、しばらく間が空いてマイケルが中心に行っている世界の子供を救おうという慈善活動「HEAL THE WORLD」の映像がモニターに流れる。その後マイケルが登場し、沢山の子供をステージに上げて手をつなぎ、地球儀のバルーンを囲こみ一緒に
HEAL THE WORLD歌ってステージは終了した。最後に「アイシテマス!」「I Love You!」「Heal The World!」という言葉を何度となく私たちに叫び、ステージを後にしたマイケル。世界でも一流エンターティナーであるマイケルのステージは最初から最後まで感動でした。


福岡公演の映像"JAM"
メインダンサーの一人にジェイミー・キング がいます!!!


福岡公演の映像"WANNA BE STARTIN' SOMETHING"

★コンサートあれこれ
◎チケット入手への長い道のり

これは今振り返っても忘れられない。当時私は大学4年生で前期試験真っ最中でした。それが「1993.7.10に初来福の世界のスーパースターマイケル・ジャクソンのチケットが福岡ドーム3Fゲート内特設会場で先行発売される」ということ、そして「既にもうチケットを求めて沢山人が並んでいると」いうニュースを2日前の1993.7.8に聞いた私は「自分も並ばなければ」と何故か思い立ち、何も準備せずに単身、身ひとつでドームへ向かった。

これは何を意味するのか?試験の単位を1教科分、捨てるということ(笑)でもマイケルを生で見ることはこれを逃したら一生ないかもしれない、そう思うと試験なんかどうでもいいと思った。家からは地下鉄&徒歩で約30分の距離にあるドームに着くと、そこは既に恐るべき長蛇の列で私は最後尾に並んだ。失敗したのは、私は座る敷物や暇つぶし&お金等全く持ってきてなかったのだ。w(☆o◎)wガーンとした。これからこの長い2晩をどのように明かそうかと途方にくれる私。そういえば家の人にもこのことは全く話していない。これはひじょーにマズイなあって思いながら・・・・。その後公衆電話から家族に連絡し、「なにしてんの?あんたは、もう!(怒)」って言われながら、夜遅く両親と姉が敷物等必要な物資と差し入れを持ってきてくれた(涙)姉は「私の分もチケットとっててよね〜」なんて言うし、”苦労せずにチケット取るなんて、そりゃああんた甘いよ(笑)”とは思ったけれど、「一緒に取っちゃる」と承諾したなんてやさしい私。

発売のチケットを待つ人々は思い思いの方法で暇をつぶしていた。何故か並んでいる駐車場にキャンプ用のテントを張って気合の入ってる人、ラジカセ持参でマイケルの曲をガンガンかけて盛り上がる若い人たち、静かに雑誌を読んで過ごす人。赤ちゃんをバスケットに入れてあやしながら並ぶ夫婦。これはなんと異様な光景だろう。隣に並んでいた家族とお友達になった(笑)「一人で並んでるの?大変だね」とずっと気にかけてくれた。お弁当も買ってくれた(よほど私はかわいそうと思われたんだろうな)。マイケルファンはみんないい人だって思った。その並んでいる人々はまったくの赤の他人同士だけど、マイケルのチケットを入手したいという熱い目標で皆一致団結しているようだった。夜が来たけど並んでいる駐車場は電灯が一晩中灯っている。警備員さんも沢山巡回して回っている。安心だ。硬いコンクリートでうとうと眠りに落ちた。

次の朝、朝日がまぶしいと思いながら目が覚めた。あと1晩明かせばチケットが取れるのだ。頑張らないとと自分に言い聞かせた。気づいたらまた列が増えていた。もう千人というレベルだと思った。長い1日、私は日中雑誌を読みながら、ずっと過ごした。そのうち夜が来た。また両親が差し入れしてくれた。「今日ニュースで沢山この並んでる人の話題が流れてたよ。もうひとふんばりやけん頑張りなさいね」とすっかりノリノリ。初めはあんなに怒ってたのになあ(笑)。となりの家族とも「もうすぐですねえ。チケット買えたらなんだか感動で涙でるかも〜」とか話しながら、最後の晩もふけていった。

そして発売の朝、列は更に凄いことになっていた。連日のニュース報道で列は更に凄いことになってる。この時点でダイエー側の心配は「先行発売で確保してるチケットが当初の予想以上の人の多さで皆に行き渡らないかもしれない」とのことだったらしい。そういえば昨晩も支配人のアナウンスで「これ以上後に並んでもチケットを確保できる保証はありません」としきりに言われていた。でも皆取れることを信じて列はどんどん増えていったのだ。でさあ今から発売!前から「何枚買いますか?(一人12枚まで)」とチェックされて行った。突然「え〜なんで、ここまで並んだのにふざけないでよ!」という黄色い悲鳴のような声。その後に「いいかげんにしれくれ!」「ふざけるな!」つぎつぎと続く不満の声。そこは警備員も入って暴動の手前の一触即発状態。どうも「ここから後の方は残念ながら先行予約チケットの枚数の関係で入手は出来ません」と言われたからのようだった。そりゃあ私でも怒りたくなると思う。皆何泊もして一生懸命頑張ったんだから!

そこで支配人の登場。「皆さん落ち着いてください。わかりました。ここにいる皆さんがチケットを確保できるようにいたしますので心配なさらないでください」という支配人。「わ〜」という歓声と拍手で辺りは包まれました。そして順番にチケット窓口で購入の手続きをして、私の受付も終わり、あとは宅急便でチケットが後日配送されるのを待つばかり。いろいろあったけど充実感に満ち溢れながら、ドームを後にしたのでした。

◎コンサートを終えて
ステージ上では神のようなものすごいオーラで観客を圧倒するマイケル。プライベートではピーターパン症候群を地で行き、大人になっても子供ような純粋さを持ちつづける無邪気なマイケルだけにマスコミやメディアからのバッシングやありもしない奇行を書き立てられたりと苦労が絶えない。今回の幼児虐待疑惑は彼にものすごい精神的な苦痛を与えているようで、ライブ中も痛ましいくらいきつそうだった。曲目はそのせいなのか13曲と通常のコンサートよりも少なかったけれど、最悪な状況にも関わらず、最高なステージを見せてくれたことは彼の”King Of Pop”と言われる所以なのかなあと実感しました。